CAPTIVE

キャプティブの仕組み、メリット

CAPTIVE

CAPTIVE

キャプティブとは

キャプティブとは、自社及び自社グループの保有するリスクを保険として専門的に引き受けることを目的とする再保険子会社です。

日本の業法上、一部の例外を除きキャプティブは再保険取引のみが認められているため、日本で認可を受けている保険会社(元受保険会社)を通じてリスクを転嫁します。

キャプティブは主にハワイ・ミクロネシア・シンガポール・バミューダ・ラブアンなど、ドミサイルと呼ばれる、キャプティブ保険会社法が整備された国や地域に設立されます。

ADVANTAGE

キャプティブのメリット

通常、日本の企業はリスク転嫁のため、国内の保険市場に存在する掛け捨ての保険を購入しますが、キャプティブを利用することによって海外の損害保険市場から、より広範囲な補償を確保することが可能となります。

さらに保険料も掛け捨てではなく、100%自社保有の再保険子会社に積み立てることができるため、キャプティブ内に利益を留保できます。

その他にもキャプティブのメリットは多くあります。

  1. 自社特有のリスクに最適な補償を国際的な再保険市場から選択できます。
  2. 企業やグループ全体の補償の統一化を図れます。
  3. 保険料の一部をキャプティブ内に留保するため、キャッシュフローが向上します。
  4. 利益を配当金として親会社に還元することができます。
  5. 自社内でリスクマネジメント体制を強化することで、損害率を下げることができます。

CONCERN

キャプティブの留意点

キャプティブを設立・運営するには費用がかかります。そのため、一定程度以上の規模がないとコストに見合ったプロフィットは得られません。さらに以下のような留意点もあります。

  1. キャプティブの設立地は海外になるため、ガバナンスリスクの管理体制を強化する必要があります。
  2. 想定を超えた巨大リスクの発生により損害を被る可能性も考えられます。
  3. 日本の場合、元受保険会社に保険を付保した後にそれを再保険として引き受けることになるため、元受保険会社との関係を良好に保っておく必要があります。
  4. キャプティブ設立地の法制度(税法、保険業法等)が変わることにより、キャプティブ事業の運営に支障が出る可能性も考慮しておく必要があります。

DOMICILE

ドミサイルについて

日本企業にとって代表的な5つのドミサイルをご紹介いたします。下記のリンクより別表にて取得ください。

EXAMPLE

活用事例

リスクマネジメント体制の強化

導入前

保険契約や、事故情報・保険金受取情報が自社内・グループ会社内で共有されておらず、全社・全グループ会社として統一的な対策が取られていなかった。

情報共有を試みたが、作業が煩雑なこともあり、徹底できなかった。

導入後

キャプティブに出再することで、キャプティブにおいて情報の一元管理が可能になった。

事故情報・保険情報がすべて把握できることとなり、巨大損害のみならず小損害の頻発等、従来把握できなかった事故情報が入手できるようになり、防災対策に活用できるようになった。

事故の削減がキャプティブの収益増につながり、防災対策へのモチベーションが上がった。

保険コストの低減

導入前

保険料は元受保険会社に支払われていた。

導入後

キャプティブが元受保険会社から再保険を引き受けることにより、保険料の一部がキャプティブに還流し、結果的に保険コストが低減し、キャッシュフローが改善した。

キャプティブが成長して単体で引き受けられるリスクが大きくなり、保険会社との保険契約に高額の免責金額を設定することができるようになり、保険料が軽減した。

保険手配が難しいリスクの保険化

導入前

ビジネスリスク、自社固有のリスク等、元受保険会社に引受けてもらえないリスクについて、やむなく自社で抱えていた。

導入後

キャプティブで一定程度リスクを保有することで、元受保険会社にも一定程度リスクを引き受けてもらえることになった。

海外の再保険市場にアクセスし、そのリスクを引受けてもらえる保険会社を海外で見つけることができた。

キャプティブが成長し、単体でリスクを引き受けることが可能となった。

高額な保険カバーの手配

導入前

巨額の損害発生可能性を把握していたが、そのリスクを引受けてくれる保険会社がなかった。

導入後

海外の再保険市場にアクセスし、保険カバーを集めることが可能になった。